日本版US-Visit法反対に関する院内集会の報告

IST請願の会 仲 晃生

日時:2008年11月20日(木) 12時45 分 〜 14時15分
会場:衆議院第二議員会館 第一会議室

【内容】
(1) 指紋押捺制度廃止からUS-VISIT日本版導入まで報告:
佐藤信行氏(在日韓国人問題研究所・RAIK)
(2) 当事者からの発言/2007年11月20日法務省前 行動のビデオ上映を予定
(3) どうなる? 2009年入管法改定
  「外登証」を廃止して、「在留カード」「外国人台帳制度」へ報告:
旗手明(自由人権協会・JCLU)
(4) 「在留カード」が導入されたら…懸念される問題点
教育(子ども)/医療サービス/難民申請者

全体で100人ほどの参加だった。
参加してくれた議員ご本人は(以降略敬称)
福島みずほ(社民) 松野信夫(民主)

秘書による代理出席は
金田誠一/細川律夫/相原久美子/姫井由美子/松岡徹/郡和子(以上、民主)
保坂展人/阿部知子(以上、社民)
仁比聡平(共産)
大口善徳(公明)

日本版US.Visit導入に際して国会で厳しく追及してくれた議員で秘書が出席していたのは、保坂議員、松岡議員、仁比議員。同じく厳しく追及してくれていた千葉議員、高山智司議員、平岡秀夫議員は今回欠席された。

来場したメディアは
TBS  朝日  日経  東京・中日  NHK

冒頭で、福島議員と松野議員があいさつされた。

まず、在日韓国人問題研究所の佐藤信行氏が、指紋押捺制度があった時代の話からその廃止、そして日本版US-Visitの導入までの歴史を簡単に振り返り(5分)、そのとき、修学旅行などの学校活動で海外へ行った外国籍高校生が帰国時、指紋を採取されている事例が生じているとの報告があった。今年4月、そういうケースでは生体情報採取を免除するという運用改善がなされたが、その免除措置が職員に徹底されていなかったのが原因。

次に、昨年11月20日の法務省前の抗議行動の記録が上映された(10分)。

続いて、日本聖公会司祭の李民洙氏が、日本版US-Visitの不当性を訴えた(5分)。印象に残ったのが、自分の払っている税金で自分を監視するシステムがつくられ、強化されていく、という言葉。この問題に関する李氏の文章は、
http://ksyc.jp/gaikikyou/news064.pdf
で読める。当日の話と内容は違うが、ご参考になる。

次に、仲のスピーチ。署名用紙を資料に挟んでもらう。主題は、日本国籍の人間にとっても重大で深刻な問題を生むシステムなのだというところに置いた。この報告の末尾にスピーチの概要を紹介する。、

続いて、自由人権協会の旗手明氏が、導入が検討されている「在留カード」、「外国人台帳制度」の問題点を解説(15分)。ただ、李氏と仲の話を受けて、日本版US-Visitについてもやはり語らねばと、冒頭で触れて、このシステムに慣れてはいけないのだなとあらためて感じた、と述べられた。また、2015年までにEUが、EU-Visitとでも呼べるようなシステムを導入する方向で動いていて、それでは光彩をチェックすることになりそうだとか。日本版US-visitに反対する運動は、そういう国際的な流れの中で位置づけられるものだ、との指摘があった。

その後は、在日外国人を支援している3人の方から、新・在留管理システムが導入された場合に予想される問題点の報告があった。

まず、横浜のひまわり診療所の高山俊雄氏が、現在外国人登録があれば受けられるはずの住民サービスが受けられない人たちが出てくると予想されるケースの報告が、次に、在日本外国人教育生活相談センター・信愛塾の大石文雄氏から、たとえば今マスコミでも報道されているカルデロン則子さんのようなケースは、学校に行けなくなる可能性が大きいとの話が、さらに、アムネスティ・インターナショナル日本の石井知子女史から、難民申請者が日本で置かれている厳し過ぎる状況が、さらに悪化するおそれがあるとの報告があった。(約40分)

その後、特に会場から質問もなく、閉会となった。

その後、河野太郎事務所に、国際結婚を考える会のデレウセ好子女史と訪問。軽部秘書に、応援メッセージと複国籍容認を考える議員連盟の呼びかけ文を渡した。

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こんにちは。IST請願の会の、仲 晃生です。お手元に、請願の趣旨などを書いたA3版二つ折りの署名用紙が、あると思います。ご覧になりながら、お聞きいただければと思います。まず、集約期限を12月31日に訂正しておいてください。

私どもの会は、主に国際結婚をしている者たちが、重国籍の容認を求めて始まりました。私の場合、妻はブラジル籍です。これまで、異なる国籍を持つ者同士が構成する家族が直面する問題を解決していくことを目指して、国会への請願署名の提出や、重国籍、デニズンシップなど参政権の問題などに関する情報収集・提供を行ってきました。そんな中、始まったのが日本版US-Visitシステムです。これが私たちの会の目的にとって障壁になるものだと考え、今年2月、その廃止と蓄積されたデータの完全廃棄を求める国会請願署名を 国際結婚を考える会 と力を合わせて 開始しました。すでに一部は今の臨時国会の衆参法務委員会に提出済みです。

このシステムは外国籍の人たちにとって著しい人権侵害をもたらすものであるだけでなく、実は日本国籍の人間にとっても、重大で深刻な問題、打ち破らねばならぬ壁です。

なぜなら、人を国籍のようなもので2種に分けてしまう、そして外国籍の人たちをテロリストあるいは犯罪者予備軍として監視するのを当然とする、そんなシステムを基礎に置いたままで、これからの社会をつくっていくとすれば、それはこの社会で生きる人の人権意識を蝕み、人の尊厳を侵し、やがては日本国籍の人たちの人権自身をも傷つけ、破壊していくに違いないからです。

また、外国籍の人たちと、恋愛をしたり、結婚したり、友人として親しくつきあったり、そういう人が増えてくると、外国籍の人たちが直面させられる問題は、いとも簡単に日本国籍の人にとっての問題にもなります。私の妻はブラジル国籍です。そのことを、私は日々、実感しています。このシステムが導入してから、いろんな機会に、なぜ自分たちが犯罪者予備軍扱いされたりテロリスト扱いされたりして、指紋を永久保存されなきゃならないのか、非常に悔しいし理解できないと、つらそうに話をするわけです。どんな理由を妻に説明できますか。できるわけがないです。

先ほどのDVD(昨年11月20日の法務省前抗議行動)で、ニュージーランドの方と結婚した日本人女性(20代前半くらい?)が、これは許されない人種差別だと憤っていましたが、私もそう思います。妻やその家族、そして友人たちが 有無を言わせぬテロリスト扱い、犯罪者予備軍扱いされることに、激しい憤りを覚えずにいられません。これは外国籍の人たちを友や家族とする者に対する、制度的差別ではないか。その観点から法的に争えるのではないか、そんなことをちらほら考えはじめているくらいです。

そこで、日本版US-Visitの問題点を理解してくださっている皆さまにお願いします。このシステムを廃止に追い込むために、どうか署名にご協力ください。

稼働したこのシステムを止めるなんて無理だ、とおっしゃる方もいるかも知れませんが、そんな声には、US-Visitが生まれた国から響いて来たあの一言を、届けたいと思います。Yes、We Can!

来年以降は、来年度の国会への提出を目指して、あらたに署名の呼びかけを始める予定です。そのお知らせは、資料の最初のページにある、URLアドレス、ホームページにアップしますので、時々、のぞいていただければと思います。

署名へのご協力、よろしくお願いします。ありがとうございました。


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